前章で、Ingressは初心者に(とくにレジスタンス陣営にとって)厳しいゲームだということを述べました。理由は:
などなど。
ぼくはこれを「クソ高レベル・エージェント問題」とよんでいます(今考えました)。
ぼくはA1からA4まで、3レベル上げるのに、3か月かかりました。心が折れそうになりました。
A4からA7に3レベル上げるのに、3週間しかかかりませんでした。
こんなゲームがあっていいのだろうか……。
ところが、つい先日、この問題を一挙に解決する、ゲームシステムの変更がありました!
それはすなわち、「グリフハックが成功すれば、味方ポータルへのハックでもAPがもらえる」という仕様変更です。
グリフハックとは……という疑問にお答えする前に、そもそもハックとは、どういう性質のものでしょうか。ここでざっくり整理しておきたいと思います。
スキャナにポータルが現れました。あなたは40m以内に近づいて、ハックしようとするでしょう。その目的は、味方ポータルであれば、ポータルキーをはじめとしたアイテム取得かもしれませんし、敵ポータルであればさらにAP獲得も目的かもしれません。
味方ポータルと敵ポータルの違いは:
というものです。言い換えるなら、敵ポータルをハックすると、獲得アイテムがゼロということがありうる、ということになります(2014年の一時期、アイテム2倍キャンペーン期間がありました。その期間は、味方ポータルはレゾネータが出やすく、敵ポータルは武器が出やすい、という特徴がありましたが、現在では明らかにわかる確率の違いは未確認です)。
また、獲得できる可能性のあるアイテムのレベルは:
それからつい忘れがちなのが、XMの消費です。Ingressでは、ほとんどすべてのスキャナー内アクションにXMの消費がともないます。ポータルのハックにもXMは消費されます。高いレベルのポータルほどXM消費量も多いことに気をつけてください。P1をハックするのに必要なXMは50で、以降1レベルごとに50ずつ増えていきます。P8のハックには400必要です。ハックしようとしてもXMが足りなければ「ハック失敗」になります。
ハックに関してもっとも重要な留意点は:
「通常」という但し書きをしたのは、インストールしてあるMODの種類によっては、条件が変わるからです。
ハックにかかわるMODについて、ここで簡単に触れておきます。
ポータルをハックすると、通常は「オーバーヒート」状態になり、300秒(5分)の冷却期間が必要になります。この冷却期間を短縮するMODがHeat Sink(ヒートシンク)です。
Common(コモン)、Rare(レア)、Very Rare(ベリーレア)の3種類があり、それぞれ短縮される時間は:
もちろん、ひとつのポータルに複数のHeat Sinkをインストールすることもできます。ただし2個め以降は効果がその50%になります(レア度が高い方を優先して効果の計算がなされます)。
また、重要なポイントとして、Heat Sinkをインストールしたエージェントは、すぐに次回のハックができるという点があります。つまりハックしてオーバーヒートしているポータルにHeat Sinkをインストールすれば、待たずに即ハックできます。
それから、つい最近の仕様変更により、Heat Sinkをインストールすることで、バーンアウトまでのカウントもリセットされるようになりました。
なお、Heat Sinkの「オーバーヒート」と「バーンアウト」のリセットボーナスは、インストールしたエージェントに対してのみ、付与されるボーナスです。
同一ポータルを4回ハックすると、通常は「バーンアウト」状態になり、最初のハックから4時間の冷却期間が必要になります。この4回という「ハック可能回数」を増やすMODがMulti-Hack(マルチハック)です。
Common、Rare、Very Rareの3種類があり、それぞれ増えるハック回数は:
これも、ひとつのポータルに複数のMulti-Hackをインストールすることができます。ただし2個め以降は効果がその50%になります(レア度が高い方を優先して効果の計算がなされます)。
バーンアウト状態になっているポータルにインストールしてもOKです。4回ハックしてバーンアウトしたら、CommonMHを挿せば、さらに4回ハックできることになります。
Heat SinkとMulti-Hackを組み合わせれば、MHで8回ハック→HSを挿してリセット、さらに8回ハック、のようにして、ポータルキーを集中して集めることが可能です。
さて、通常のハックに関しては、以上が基本事項です。
グリフハックでAPを獲得できるようになった現在、初心者にとって、グリフハックはきわめて重要なポイントになるでしょう。
グリフハックは、通常のハック(ハックボタンをタップ)とは少し違います。
ポータルを見つけたら、スキャナ上のポータルをタップするところまでは同じです。
次に[ハック]ボタンを、ただタップするのではなく、ホールド(ロングタップ)します。
ホールドしている間、ゲージが上昇します。ゲージが満タンになると、「グリフゲーム」に突入します(この時点で指を離してOK)。
グリフゲームは、一言で言えば、「暗記ゲーム」です。
グリフゲームに突入すると、11個のドットが現れます。

11個のドットの上を、光が走って、「グリフ」(文字)を暗記するように促されます。

特定の出題数の分、グリフが出題された後(たいてい数個あるので、「グリフシーケンス」といいます)、カウントダウンがはじまり、所定時間以内に、出題グリフと同じグリフを、【一筆書きで】(←重要)なぞります。
正答すると正答数に応じて「ハッキングボーナス」が加算され、回答を終えるまでのスピードに応じて「スピードボーナス」が加算されます。

全問正答しないと「スピードボーナス」はつきません。
「ハッキングボーナス」と「スピードボーナス」は、獲得アイテムのボーナスのことですが、APの数値にもかかわるようです。
もらえるAPの数値は、計算式が細かいのでここでは書きませんが、1問でも不正解があれば、50×正解数になります。
出題数、というのは、文字がおさまる枠の数のことです。ポータルレベルとアクセスレベルに応じて、「枠」(出題数)が決まります(ポータルレベルとアクセスレベルの低い方に応じて出題数が決まる)。また、(ここで初めて「実績」について具体的に触れることになりますが)全問正解した場合、Translator Pointが付与されます。獲得ポイントはエージェントプロフィール画面で確認できます。
| P LVLとA LVLの低い方 | 出題数 | Translator |
|---|---|---|
| 0~1 | 1 | 1 |
| 2 | 2 | 2 |
| 3 | 3 | 4 |
| 4 | 3 | 4 |
| 5 | 3 | 4 |
| 6 | 4 | 8 |
| 7 | 4 | 8 |
| 8 | 5 | 15 |
出題数が少ないほど、覚えなければならないグリフの数が少ないので、楽です。逆に、出題数が多いほど、ボーナスがたくさんつきます。
初めてP8の5連ハックに成功したときは、記念にスクリーンショットを撮ることになっています。
グリフハックが苦手、という人は多いです。アクセスレベルが高い人でも。
まずは、出題されるグリフの種類を、英単語の丸暗記の要領で覚えてしまいましょう(100数個しかありませんから、本気でやれば1日で覚えられます)。
ひとつのグリフには、ひとつ以上の英単語が対応しています。答え合わせのときには、ひとつの英単語しか表示されません。
すぐに覚えるのは難しいと思うので、グリフハック・トレーニング用のアプリでトレーニングしながら、実戦をくり返すのがコツです。
英単語のCLEAR(クリア:除去・明瞭)を意味するグリフはとても簡単です。

英単語のOPEN(オープン:開放)またはACCEPT(アクセプト:受容)を意味するグリフもとても簡単です。

英単語のALL(オール:全部)を意味するグリフもとても簡単です。

3つ覚えましたね? では次のグリフは何でしょう?

そう、CLEAR ALL(クリアオール:全消去)です。では次は?

そう、OPEN ALL(オープンオール:全開放)です。
この種の、複数重なり系は、OPEN ALLとCLEAR ALLだけじゃなかったかな~と思います。これが連続で出やすいので、厄介です。なぞる距離が長いので。だいたい、4連グリフでCLEAR ALL, OPEN ALL, DISCOVER, TRUTHというフレーズで出ます。
頻出フレーズは決まっており、意味もあることに着目しましょう。グリフシーケンスの覚え方にもいろいろありますが、おススメは対応する英単語をブツブツとつぶやきながら、意味で把握することです。
CLEAR ALL, OPEN ALL, DISCOVER, TRUTHは「すべてを綺麗にして、すべてを開き、真実を発見せよ」ぐらいの意味でしょうか。英単語をいちいち日本語に訳していては英語の勉強にならないのと同様、グリフも、そのグリフの意味をそのまま覚えてしまう(「読み」は英語ですが)のがグリフハック成功のコツです。
Ingress特有の語彙があります。XM(エクスエム:XM)とかPORTAL(ポータル:ポータル)とかSHAPERS(シェイパーズ:シェイパー)とか(「シェイパー」というのは、Ingressのストーリー上重要な役割をもつ……何かです)、あるいはRESISTANCE(レジスタンス:抵抗)とかENLIGHTENMENT(エンライトゥンメント:覚醒・啓蒙)など。

「グリフの意味をそのまま覚える」とは、この形を〈意味するもの:シニフィアン〉として、「XM」という意味を〈意味されるもの:シニフィエ〉として、ひとつの〈記号:シーニュ〉を形作っておくことです。

「なぜこれがポータルなのか」と思ってはいけません。この形はポータルを意味しているのです。もう、ポータルにしか見えません。

Ingressの背景ストーリーには「シェイパー」なる異世界の存在が頻繁に出てきますが、その姿形を我々は見ていません。むしろこのグリフメッセージによって、我々はシェイパーのイメージを獲得できたと言えるでしょう。ちなみに「Ingressスキャナーに発見されたコード」が出題してくる一連の文字列(つまりグリフシーケンス)のことを「シェイパーグリフ」といいます。おそらくシェイパーの意思によって出題されているか、もしくはシェイパーに意思を伝える手段か、そんなところなんでしょうね。

RESISTANCEはSTRUGGLE(ストラグル:奮闘)も意味していますが、元々はレジスタンスのエンブレムである鍵(キー)をかたどったものです。これは珍しく具象的な文字です。

ENLIGHTENEDはENLIGHTENMENTも意味していますが、元々はエンライテンドのエンブレムである目をかたどったものです。これもレジスタンス同様、具象的な文字です。
Ingress語はこのぐらいかと思います。
PAST(パスト:過去)、NOW(ナウ:現在)またはPRESENT(プリゼント:現在)、FUTURE(フューチャ:未来)は頻出です。



この3つは頻出フレーズにもよく使われます。4連グリフのHUMAN, PAST, PRESENT, FUTUREやPAST, AGAIN, PRESENT, AGAINなど。
注意すべきは、NOWとEQUAL(イコール:等価)が上下対称で形だけ似ているところです。

頻出フレーズにPAST, EQUAL, FUTURE(過去とは未来である)というものがありますが、ちょっとなにゆってんのかわかんないですよね。さらに頻出フレーズにPAST, NOW, FUTUREがあるので、騙されないように気をつけなければなりません。
まず、「パンティ」と俗に言われる(お上品な方は「パンツ」などと言いますが)BODY(ボディ:身体)を見ましょう。

どうみてもパンティですよね。それはともかく、面白いのがMIND(マインド:精神)とSOUL(ソウル:霊魂)を区別しているところです。


4連グリフの頻出フレーズにLESS, SOUL, MORE, MIND(魂が減れば、精神が増す)という謎のメッセージがありますが、SOULとMINDはバーター関係になっているという世界観なのでしょうか。
BODYとMINDとSOULを合わせると、HUMAN(ヒューマン:人間)になります。

人間に関する語に入れていいものか迷いますが、SELF(セルフ:自己)は、スキャナーの手前に矢印が向かっていて、エージェント「自身」を指しているようにも見えます。

見た感じそのまま、というものもあるし、単純な図形であるため覚えやすいというものもあります。上述のCLEAR OPEN BODY ALLなどがそうですね。
BALANCE(バランス:平衡)またはPERFECTION(パーフェクション:完全)は見た感じがバランス(重り)っぽいし、完全性を表している感じがしますね。

HARMONY(ハーモニー:調和)は見た感じが調和! って感じですよね。

STRONG(ストロング:強固)は安定感があって、いかにも強い感じですね。これで殴ると痛いぞ、みたいな。

SEE(シー:見る)はなんだか、適当に一番てっぺんからチョンと棒をひいただけに見えますね。ちょっと覗きました、みたいな感じがするでしょう。しませんか。そうですか。

TRUTH(トゥルース:真実)は無限大なんでしょうか。真実は無限のなかにある。

SEPARATE(セパレイト:分離)は文字通り、画面を分割しています。

MESSAGE(メッセイジ:伝達)は何かが伝わっている感じがします。

MESSAGEの類義語とでも言えばいいのでしょうか、DATA(データ:データ)は上から落ちてくるイメージです。

IDEA(アイディア:理念)またはTHOUGHT(ソート:思想)は何かのエンブレムみたいでかっこいいですね。

4連グリフの頻出フレーズLESS, SOUL, MORE, MINDには、SOULとMINDが左右対称になっていて、かつIngressの世界観では対義語であるという関係になっています。またこのフレーズのLESS(レス:減)とMORE(モア:増)は、上下対称の対義語になっています。


これに似たものにLIVE(リヴ・ライヴ:生存・生命)またはBREATHE(ブリーズ:呼吸)と、DIE(ダイ:死亡)の上下対称・対義語があります(もしかしたらBREATH〔ブレス〕だったかもしれません)。


頻出4連フレーズにBREATHE, NATURE, PERFECTION, HARMONEY(自然の完全な調和を呼吸せよ)といったメッセージがありますが、この中のBREATHEが下向きなのか上向きなのかで迷ったら、NATUREは下向きだからBREATHEも下向き、と連想してもいいかもしれません。
CIVILIZATION(シビライゼイション:文明)とNATURE(ネイチャー:自然)も上下対称の対義語です。


ATTACK(アタック:攻撃)またはWAR(ウォー:戦争)とDEFEND(ディフェンド:防衛)も上下対称の対義語です。


NOURISH(ノリッシュ:養育)とRECHARFGE(リチャージ:回復)も上下対称の対義語です(わかりにくいかもしれませんが、NOURISHは成長のために栄養を与えることで、RECHARGEは減っているものを回復させることです)。


これもわかりにくいかもしれませんが、PURSUE(パースー:追求)とWANT(ウォント:必要・欠乏)も上下対称の対義語です(追求するのは能動的ですが、欠乏しているのは受動的だと考えましょう)。


ここまで、上下対称・対義語を見てきました。ここから左右対称・対義語を見ていきます。
CREATE(クリエイト:創造)とDESTROY(デストロイ:破壊)は左右対称の対義語です。


PATH(パス:通路)とBARRIER(バリア:障壁)も左右対称の対義語です。


FORGET(フォゲット:忘却)とIGNORE(イグノア:無視)は左右対称の対義語です(忘れていることと、あえて忘れたふりをすることは逆、と考えましょう)。


GAIN(ゲイン:獲得)とLOSE(ルーズ:喪失)は左右対称の対義語です。


ADVANCE(アドバンス:前進)とRETREAT(リトリート:撤退)は左右対称の対義語です。


ABANDON(アバンダン:断念)とRESTRAINT(リストレイント:抑制)は左右対称の対義語です(ABANDONには放縦、奔放という意味があります)。


EVOLUTION(イヴォリューション:進化)またはSUCCESS(サクセス:成功)とFAILURE(フェイリャ:失敗)は左右対称の対義語です。


ここまで、左右対称の対義語を見てきました。じつは、形は左右対称だけれど意味の対称性がよくわからないものがひとつあります。SAVE(セイブ:救済)とADAPT(アダプト:適応)またはADJUST(アジャスト:順応)です。SAVEには「省く」という意味があるので、手間隙がかかる「適応」とは逆、とこじつけてもいいかもしれません。守ることは変化しないことで、適応することは変化すること、というように。


上下対称と左右対称を見てきましたが、これを組み合わせた、上下左右対称というのもあります。これは単純にいえば180度回転させたものです(上下反転させて、さらに左右を反転させる――上下対称と左右対称のうち、いくつかは上下左右対称でもあります)。
PURE(ピュア:純粋)とIMPURE(インピュア:不純)は上下左右対称の対義語です。


NEW(ニュー:新)とOLD(オールド:古)は上下左右対称の対義語です。


IMPROVE(インプルーブ:改善)とDETERIORATE(ディティリアレイト:悪化)は上下左右対称の対義語です。


CAPTURE(キャプチャ:捕獲)とLIBERATE(リベレイト:解放)は上下左右対称の対義語です。「開放」と「解放」は違いますからね。


FEAR(フィアー:恐怖)とCOURAGE(カリッジ:勇気)は上下左右対称の対義語です。


初見では「なんじゃこりゃー!」と思ってしまうけれど、なぜか記憶に残りやすいグリフというものがあります。こういうグリフに限って頻出なので、はじめのうちに覚えてしまったほうが楽です。
CHAOS(ケイオス:混沌)は文字通りですが、意外と覚えやすい。でもドットの触り忘れがよくあるので注意しましょう。

JOURNEY(ジャーニー:旅)は文字通りスキャナー上を旅している感じがするので、むしろ覚えやすいカテゴリに入れたほうがよいかもしれません。

WEAK(ウイーク:脆弱)はSTRONGと対にして覚えるべきかもしれませんが、いかにも不安定です。

END(エンド:終焉・目的)はなぜか右半分だけを使います。左半分はないようです。

CONFLICT(コンフリクト:葛藤・衝突)は俗に「M字開脚」のあだ名でよばれるものです。シェイパーグリフではしばしば「データ・コンフリクト」が生じます。こわいこわい。

DANGER(デンジャー:危機)はシンプルですが、あまりデンジャーな感じがしないのがポイントではないでしょうか。

HARM(ハーム:危害)は俗に「精子」とよばれますが(お上品な方は「ツチノコ」と言います)こっちのほうがデンジャーな感じがしますね。

TOGETHER(トゥギャザー:協力)は俗に「ハミ毛」とよばれますが、BODYを「パンティ」とよんでいなければ意味をなしません。

POTENTIAL(ポテンシャル:潜在)は上方にオープンな状態で、いかにも潜在能力とか可能性とかがありそうですよね。

CONTEMPLATE(コンテンプレイト:熟考)は、初めて目にしたときは「覚えられるかこんなの!」と思ったものですが、意外と、ミスしたことは一度もありません。一筆書きに向いている図形なんでしょうね。

DESTINY(デスティニ:運命)もこのタイプ。間違えることはほとんどありません。

AVOID(アヴォイド:回避)は右上に向かってM字ですね。回避するために体を右に倒しているところでしょうか。

AGAIN(アゲイン:再度)またはREPEAT(リピート:反復)は、まるで反復感がないものの、頻出シーケンスでよく使われるため、否応なく覚えてしまうタイプかもしれません。

REBEL(レベル:反逆)は不安定な形で、覚えにくいもののひとつです。

上下または左右対称で、対義語のものを紹介しましたが、他にもペアにしたり、グループにして覚えると楽なものがあります。
まずHAVE(ハヴ:所有)とCHANGE(チェンジ:変更)は、使うドットの領域が同じで、同じく動詞なので、無理やりですが、セットにします。


似ていてややこしいものに、SAFETY(セイフティ:安全)とSTABILITY(スタビリティ:安定)があります。どっちも「土台」という感じがして、安全感と安定感がありますが、STABILITYの方が重心が低い感じがします。


OUTSIDE(アウトサイド:外側)またはDISTANCE(ディスタンス:距離)とINSIDE(インサイド:内側)またはNOT(ノット:否定)は対義語ですが、まるで似ていません。確かにOUTSIDEは外周を使っていて、INSIDEは中央部分を使っていますが、共通点がありません。


むしろ、INSIDEはNOTつまり記号論理学の否定の記号(¬)に似ています。そしてNOTの対義語はEQUALで、これは似ています。EQUALから一本棒を抜いたものがNOTです。

NOWの上下対称なので間違えないように、と説明した箇所で出てきました。
DISTANCEはDISCOVERと接頭辞が同じなので、DISCOVERの反対側、と覚えるとよいかもしれません。そんなわけで、INSIDE OUTSIDE NOT EQUAL DISTANCE DISCOVERは無理やりグループ化しておくとよいでしょう。これにJOURNEY PATHも加える事もできます。
COMPLEX(コンプレックス:複雑)とSIMPLE(シンプル:単純)は中央部分を重ならないように使用しています。そしてSIMPLEがとてもシンプルなのに対してCOMPLEXは少し複雑です。


LEAD(リード:先導)とFOLLOW(フォロー:追従)は対義語ですが、左右のどちらかを使っているという点以外共通点がありません。


逆に(というかなんというか)QUESTION(クエスチョン:疑問)とESCAPE(エスケープ:逃避)は意味に共通点はありませんが、形は似ています。でも、あまりこれで迷うことはないでしょう。


SEARCH(サーチ:探査)とHIDE(ハイド:秘匿)は中央部分を使っているというだけで、形が似ていない対義語です。この辺はむしろ、同じように中央部分を使っている各種グリフ、ANSWER(アンサー:回答)やCOMPLEX(コンプレックス:複雑)とごっちゃにならないように、グルーピングして覚えるべきかもしれません。




似てないけど対義語だぞシリーズはまだあります。EASY(イージー:容易)とDIFFICULT(ディフィカルト:困難)は3ドットを共有しているだけで、似ていません。


BEGIN(ビギン:開始)とEND(エンド:終焉・目的)も似ていません。3ドット共有しているだけです。BEGINにはほとんどお目にかからないので、たまに出てくると「これなんだ?!」とびっくりします。


似ているけど意味に共通点はないよグループには、REACT(リアクト:反応)・HELP(ヘルプ:援助)・ADAPT(アダプト:適応)・SAVE(セイヴ:救済)があります。いずれも、中央を横に使い、斜め方向に伸ばしています。グループ化しましょう。ぼくはいまだにこれはごっちゃになってます。




さて、100個以上のグリフを紹介してきましたが、最後に禁断のアレを紹介します。
TRUTH(トゥルース:真実)はすでに紹介しました。ここから1本棒を抜いたものがLIE(ライ:嘘)です。ここまでは、覚えやすい。ここで紹介しているグリフの書き順は、必ずしも図中の矢印通りじゃなくてもいいのですが、TRUTHをこの書き順で書いていると、LIEは「寸止め」すればいいだけ、ということになります。


やっかいなのが、IMPERFECT(インパーフェクト:不完全)の存在です。TRUTHとは違って、中央ドットから書き始めなければなりません。さらに、バグをあえて残したと思われる、決まった書き順があります。この順番に書かなければミスになります。

グリフ・シーケンスのパターンは有限で、すべてを覚えることは不可能ではありませんし、頻出パターンもあるので、覚えられるだけ覚えてしまったほうがよいでしょう。
人それぞれに、覚え方があるようです。グリフそれぞれに「あだ名」をつけるあだ名法、グリフの英単語を二文字程度の熟語に翻訳して日本語で覚える翻訳法、など(グリフの紹介に日本語翻訳をいちいち付けたのは、このためです)。
グリフ・シーケンスには意味があって、それも4単語(=4連グリフ)や5単語(=5連グリフ)のような長いものほどその傾向が強いように思えます。ですから、意味で覚えるのがよりよい覚え方ではないでしょうか。その意味では、翻訳法は意味がわかるので、よい方法のひとつだと言えます。
ですが、翻訳法だと、グリフ→英単語→日本語と、翻訳のプロセスが間に挟まるので、無駄が多いかもしれません。
ぼくが個人的にやっている方法をご紹介します。
まず前提として、すべてのグリフの対応英単語を覚えていること。
グリフが出題されたら、大きな声で英単語を発音すること。周囲に人がいても気にせず大声で。
4連であれば、低音→高音→低音→高音、のように声のトーンを変える。また、リズミカルに発音する。
視覚の記憶はあてになりません。口と喉の筋肉に覚えさせる。
このとき、基本は4連です。前半2グリフと、後半2グリフの間にポーズを入れます。5連であればこれに1つ加わるだけですし、3連であれば1つ欠けるだけです。
精神の中の「記憶の神殿」に2部屋準備しておきます。前半2グリフと後半2グリフを左右別の部屋に収納します。
想起するときは、別の部屋のドアを開ければいいだけなので、忘れようがありません。
この方法の欠点は、5連グリフのときに、どのパターンなのか忘れてしまっていたら、中央のグリフを左右どちらの部屋に入れるべきなのか、迷ってしまうことです。一番多いのが収納忘れで、最後まで回答した、と思ったらまだ1グリフ残っていた、ということがたびたび生じます。
お試しあれ。
次章は、アイテム解説です!